翻訳絵本の原書を読んでおどろきました

絵本を研究する会に所属する機会があり、長く勉強をしています。会の中では毎年、日本作家と海外作家を一人決めて、その作家が書いた絵本を研究します。

これまで海外作家の絵本は翻訳されたものを読むだけだったのですが、先日中学で英語の教師をしている方が、原文と翻訳の比較をしていました。私は英語が不得手だったので、原文と読み比べるなどということは頭になかったのですが、実際に解説してもらうと、ずいぶん印象が変わっておどろきました。

取り上げられた絵本は『ゆきのひ』というタイトルで、エズラ・ジャック・キーツがかいたものです。古くから読まれている絵本です。原書でのタイトルもそのまま、『The Snowy Day』。これくらいの英語はわかりました。

しかし、細かな擬音語や言葉一つ一つに焦点を当てていくと、本全体の印象は大分変わりました。日本語版を読むと、この絵本は静かな雪の日に、小さなピーターが一人で遊ぶ様子を描いたしっとりした読後感が残ります。本を読み終わった時、余韻が残る印象ですが、英語版は少々違いました。

原書の擬音語や意味をなぞっていくと、この本は雪が降った日の静けさよりも、ピーターが初めて雪に出会った驚きと、感動が前面に押し出された、躍動的な絵本に感じました。

最初のページから、原書の方では雪の積もっている高さが推し量られるような感動の言葉があり、雪を踏む音や、木から雪を落とす場面などが非常に大げさに、楽しく描かれていました。言葉だけをなぞれば、翻訳もほとんど一緒なのですが、原書を追うとずいぶん印象が違うものだとおどろきました。